農薬散布ドローンに免許は必要？

・免許は必要なし

現状では、農薬散布ドローンも空撮用ドローンと同じように、免許や資格の取得が義務付けられているわけではありません。ただし、農薬散布を行う場合には、国土交通省に許可申請を行い、承認を得る必要があります。

・農薬散布ドローンのメーカーによって認定証が必要な場合もある。

農薬散布の免許は必要ありませんが、農薬散布ドローンのメーカーによって認定証が必要な機体があります。例を挙げると、最大手DJIが販売する農薬散布ドローンを購入する際には、UTCが発行する認定証が必要となります。

認定を受けるためには、UTC農業ドローン協議会が認定した教習施設で、講習を受講して学科と実技の試験に合格しなければなりません。試験に合格すると、「農業ドローン技能認定証明証」と「飛行許可証」を取得することができます。

その他、機体メーカー毎に、販売の際に独自の講習を義務付けられている場合もあります。

農薬散布ドローン導入の流れ

・ステップ1．講習の申し込み

ばぁどドローンは、毎年JAと提携し実際に農薬散布業務を実施しています。その経験を活かし、農薬散布講習も実施していますので、まずはそちらをお申し込みください。

注意する点は、講習を受講するには、10時間以上の飛行経験があることが条件となっています。飛行経験のない方は事前にドローンスクールを受講し、技能証明書を取得してもらう必要があります。

・ステップ2．受講

学科と実技の講習を受けます。機種によって実技の日数が異なります。

・ステップ3．技能認定証明証と飛行許可証の取得

講習後の学科試験と実技試験に合格したら、技能認定証明証と飛行許可証が発行されます。

・ステップ4．機体の購入

農薬散布に使用する機体を購入します。

・ステップ5．保険の加入

万が一のトラブルに備えて、保険への加入が必要です。

・ステップ6．農薬散布の開始

国土交通省へ許可申請を行い、承認を得たら農薬散布を行います。

人手不足が解消できる

農業では農薬散布の作業が必要不可欠ですが、農薬散布は非常に重労働な作業です。農薬散布を行う際には、人が農薬の入ったタンクを背負い、地上で散布を行う方法が一般的です。しかし、田畑の隅々まで農薬を散布して歩き回るのは、かなりの手間と時間がかかるため、農業人口の減少と高齢化が進んでいる昨今では、農薬散布を行う人材を確保するのも容易ではありません。

重労働な農薬散布にドローンを導入することで、人の何十倍もの作業をドローンが行ってくれるため、人手不足の解消につなげられます。

効率がよい

農薬散布ドローンは10aの広さであれば、わずか1分で農薬散布することができます。また、すぐに次の圃場での作業が可能なので、地上の人力での散布と比較して、作業にかかる時間を約1/5に短縮することができます。

他にも、バッテリーで飛行するドローンは、無人ヘリコプターと比較してはるかに騒音が少ないので、早朝からの飛行も可能となります。

様々な圃場条件に対応できる

ドローンは小回りがきくので、人による散布が難しい場所はもちろん、変形圃場や棚田、害獣用防獣フェンスやネットに囲われている場所、電線が多い場所や重機が通れない狭い場所でも、スムーズに農薬散布の作業を行うことができます。また、無人ヘリコプターでは空中散布ができなかった、10aの圃場でも農薬散布が可能です。

コストダウンが実現できる

ひと昔前までは、農薬を空中散布する方法としては、無人ヘリコプターが一般的でした。機体の大きな無人ヘリコプターは、取り扱いや操縦が難しいため、作業を行うには複数人の作業員が必要となり、コストが高いという問題点がありました。

一方、ドローンは機体が小さく、1人でも簡単に取り扱いや操縦ができ、必要な作業員の数を減らせるため、コストダウンを実現することができます。